その後、企業の大規模な倒産が増加したこと、消費者破産の増加に伴い破産手続と免責手続が一体化していないことに伴う問題が指摘されるようになったこと、租税債権を優遇しすぎである反面、労働債権が租税債権と比べて低い地位に置かれていることなどの様々な問題が指摘されていた。そこで、倒産法制の全面的改正の一環として、2004年に新しい破産法(平成16年法律第75号)が制定され、2005年1月1日から施行された。 会社更生法(かいしゃこうせいほう)は、経営困難ではあるが再建の見込みのある株式会社について、事業の維持・更生を目的としてなされる会社更生手続を定めるために制定された日本の法律である。最終改正は2006年(平成18年)3月31日法律第10号。 第二次世界大戦後、米国で実績を挙げつつあった当時の連邦倒産法第10章Corporate Reorganization(会社更生)の制度を日本に移植するべく、昭和27年に制定された(昭和27年法律第172号)。その後、昭和42年に会社更生手続の濫用防止、債権者である取引先中小企業の保護の観点から実質改正がされ、さらに、2002年(平成14年)に会社更生法の全部改正をする新しい会社更生法(平成14年法律第154号)が制定され、その施行(平成15年4月1日)に伴い以前の会社更生法は実質的に廃止された。 なお、米国では、旧連邦倒産法を全面的に改正する新連邦倒産法が1978年に制定され、旧第10章は、連邦倒産法第11章Reorganizationに改められた。これは日本の会社更生に相当するといわれることもあるが、手続を利用できる債務者の範囲に限定がない点で、会社更生よりは民事再生に近い。 倒産法制における位置づけとしては、再建を目的とする点で、民事再生と共通し、清算を目的とする破産と異なる。一方、株式会社だけが対象となるという点で、破産、民事再生とは異なる。 民事再生法との違いとしては、管財人が必ず選任されることや、担保権者や株主についても更正手続の対象となることなどが異なる 慣習法(かんしゅうほう)とは、一定の範囲の人々の間で反復して行われるようになった行動様式などの慣習のうち、法としての効力を有するものをいう。不文法の一つである。判例法を慣習法に含める考え方もある。 慣習がいつ(国内法としての)慣習法になるかについては、人々の「かくあらざるべからずとの意識」(opinio necessitatis) の支えによるとする立場と、国家が法として容認するときとする立場とがある。 日本では、法の適用に関する通則法3条が慣習法の法的地位に関する一般原則を定めている。これによると、公の秩序又は善良の風俗(公序良俗)に反しない慣習については、法令の規定により認められたもの及び法令に規定のない事項につき、成文による法令(形式的意義における法律)と同一の効力(法源たる慣習法としての効力)が認められることになる。 法令による規定のない事項について慣習に効力を認めるものであることから、法令と慣習法との間に矛盾がある場合は、一般原則として、法令の規定が優先する。 上記の通則法3条とは別に、民法92条にも慣習の効力に関する定めがある。これによると、任意法規(当事者が異なる特約を設定することが認められる規定をいう。)と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者が、この慣習による意思を有するものと認められる場合は、慣習による意思の方が優先して適用される。法令と慣習の優先関係について通則法3条とは異なる規定となっていることから、通則法3条と民法92条との関係が問題となる。 この点については、FX 法施行前の法例2条(通則法3条に相当)と民法92条との関係につき、法例2条に規定する慣習は慣習法であるのに対し、民法92条に規定する慣習は慣習法ではなく法規範性のない事実たる慣習と解するのが伝統的な考え方であった。 しかし、この論によれば、慣習法の効力が法例により任意法規に劣るにもかかわらず、法規範性が認められない事実たる慣習は、民法により任意法規に優先する効力が認められる点が矛盾との指摘がある。そのため、法例の規定と民法の規定との関係について議論が生じた。また、法例にいう慣習と民法にいう慣習を区別するのは妥当ではないとする見解も強い。 このため、法例2条と民法92条との関係につき、(a) 法例2条は制定法一般に対する慣習の地位に関する規定であるのに対し、民法92条は私的自治の原則(「契約自由の原則」とも言う。)が認められる分野に関する慣習の地位に関する規定であり、法例の規定の特則であるとする見解(「特別法は一般法に優先する」という法原則が働く)、(b) 法例2条にいう「法令ノ規定ニ依リテ認メタルモノ」の一つが民法92条であり、法律行為の解釈については、当事者が反対しない限り慣習が優先するとする見解などが主張された。 通則法は法例を全面改正して成立したが、民法92条との関係に関する解釈問題に変更を加えるものではないとされている。 商法の分野では、商法1条2項が商事に関する慣習法(商慣習法)の地位につき定めている(なお、条文上は、会社法制定前は「商慣習法」となっていたが、会社法制定に伴う改正により「商慣習」と変わっている。)。これによると、商法の規定が最優先するが、商法に規定がない場合は商慣習法が適用され、商慣習法がないときは民法が適用されることになる。つまり、商法に規定がない事項については、民法に該当する規定がある場合でも商慣習法が優先して適用される建前である。 このように、商慣習法は、民法との関係では優先する効力があり、商法との関係では劣後する。もっとも、商法の分野においては、経済事情の変遷のために商事の生活関係が著しい変化を余儀なくされることが多い。そのため、商法中のくりっく365 と解される規定であってもそれが事実上死文化し、商法の規定に優先する商慣習法の成立が認められた事例も判例上存在する。 このような事情もあり、商法の規定にかかわらず、商法中の任意法規に対する商慣習法の優先的効力を認める見解、さらには、明確かつ合理的な商慣習法が存在しそれが実際上適切である場合は、商法中の強行法規に対して商慣習法が優先するとする考え方もある。 行政法とは、行政機関が公権力を行使する際の手続きや制限を定めたものである。 行政法の分野においては「法律による行政の原理」が妥当する。そのため、オットー・マイヤーを中心として行政法においては慣習法は法源性を有しないとする見解も強く主張された。 しかし、今日では、行政機関の慣習として、慣習法の成立の余地を認めるのが通説である。例えば、既に存在する行政法規に反しない慣習については、慣習法が成立する余地がないわけではなく、特に公物利用権に関しては地域的な慣習が、行政機関の判断基準としての慣習法として認められる例があるとされる。 例えば、慣行水利権は、河川法に基づいて、河川法施行以前から河川の水を利用していた者に対して与えられる特許である。主として、江戸時代からの慣習によって利用権を有していた者や、河川法施行以前に設定によって利用権を取得していた者に対して与えられる。慣行水利権は、河川法施行以前から河川の水の利用権を有していたことが確認されれば与えられるが、その判断基準は、河川法に規定がないため行政機関の慣習によって行われてきた。河川法によれば、慣行水利権は河川法施行以前から河川の水の利用権を有していた者に対して与えられるものであるから、河川法施行後において、河川の利用を始めた者が慣行水利権を与えられることはない。 最高裁判所の判例は、下級審裁判所の判断を事実上拘束する。下級審裁判所が、判例に反する判断を下したときは、上告受理申立理由となる。 最高裁判例は、私法慣習についても下級審裁判所の判断を規制するが、私法慣習自体について規制するものではない。例えば、何が公序良俗違反に当たるかという私法慣習に対する最高裁判例は、それ以降の下級審裁判所の判断を規制するが、それによって、私法慣習が固定されるものでなはい。